中小企業のためのメールマーケティング基礎編

お客さまへのアプローチ方法の中でも、比較的コストをかけずに行うことができるのがメール配信です。メールはお客さまに直接届くので反応が得やすく、多くの企業がマーケティング手法の一つとして活用しています。今回はメール配信のメリットや、効果を出すためのポイント、メールマーケティングの主な手法を紹介します。

目次

メールを活用するメリット

メールは世代を問わず普及率が高いコミュニケーションツールです。総務省が公表している「令和3年版 情報通信白書」1によると、インターネットの利用目的として最も多いのは「電子メールの送受信」で、メールはどの年齢層でも利用率が高いことがわかっています。さらに、一般社団法人日本ビジネスメール協会が行った「ビジネスメール実態調査2022」2では、約99%の人が仕事でメールを利用していると答えています。多くの人が日常的に使用し、特にビジネスにおいて欠かせないものとなっているメールは、企業とお客さまとのコミュニケーションツールとしても非常に有益です。具体的なメリットとしては下記が挙げられます。

送る内容やタイミングを企業がコントロールできる
お客さまを待つのではなく、企業側から能動的にアプローチできるため、「狙ったタイミングで情報を届ける」、「顧客層ごとに内容を変える」など、より効果的なコミュニケーションが図れます。
情報が直接届くため、自分ゴト化されやすい
不特定多数に向けた広告と異なり、お客さま個人に直接届くメールは「自分に関係がある情報」と受け取ってもらいやすい傾向があります。
継続的にコミュニケーションが取れる
お客さまに継続してコンタクトを取ることで、リピーターになってもらえる可能性が高まります。特にメルマガなどでは定期的・継続的な配信によるファン育成も期待できます。

メール配信で効果を出すための4つのポイント

一見するとメリットの多いメール配信ですが、やみくもに配信しているだけでは十分な効果を得られません。成果を発揮するためには、以下のポイントを押さえて活用することも大切です。

目的を明確にする
漠然とした内容にならないよう、「何を伝えるためのメールか」を意識する必要があります。
  • 新製品紹介
  • 製品の使い方解説
  • イベント情報
  • キャンペーン案内
など、目的を明確にしてお客さまに伝わりやすい内容にすることを心がけましょう。
配信頻度を考える
配信が多すぎると押しつけがましいと感じられ、メールを読んでもらえなくなることがあります。「製品紹介は毎週」「導入事例は月1回」など適度なペースを心がけ、複数のメールを同じ日に送らないようにするなど、スケジュールを立てておきましょう。
配信時間を工夫する
顧客層のライフスタイルを予測し、メールを読んでもらえる確率が高い時間に配信しましょう。例えば、週末にたまったメールの処理に追われがちな月曜日は避けて、週半ばの水曜日や木曜日に配信する、といったことも考えられるでしょう。出勤時間や就業時間などメールを読んでもらえるタイミングを意識した時間設定も欠かせません。いくつかのパターンで配信してみて、反応がよい時間帯を決めるのも一つの方法です。
効果測定をする
反応がよい配信時間に変えるといった改善を行うためには、配信後の効果測定が重要です。「メール配信システム」には計測・分析機能が付いていることもあるので、活用するとよいでしょう。

よく使われる3つのメールマーケティング手法

「メールマーケティング」とは、自社が持つ顧客情報を元に配信リストを作成してメールを配信し、お客さまへアプローチするマーケティング手法です。目的によっていくつかの種類がありますが、ここではよく使われる3つの手法を紹介します。

メールマガジン(メルマガ)
配信リストの顧客に向けて、定期的に一斉配信するメール
配信対象 全顧客
配信内容 新製品情報、製品の導入事例、キャンペーンのお知らせ など
メリット メール原稿は1本作成すればよく、手軽に始められる
注意点 全顧客が対象となるため、幅広い層を想定してメールを作成する必要がある
ターゲティングメール
年齢や居住地、購入製品などの属性ごとに顧客をグループ分けし、ターゲット顧客に合った内容を配信するメール
配信対象 ターゲットにしたい顧客
配信内容 新製品情報、製品の導入事例、キャンペーンのお知らせ など
メリット 顧客の関心にあわせて配信できるため、自分ゴトとして捉えてもらいやすい
注意点 ターゲットごとに異なるメール原稿を用意する必要がある
ステップメール
「問い合わせ」や「購入」など、特定の行動を取った顧客を次の行動に促すよう、段階的に配信するメール
配信対象 特定の行動を取った顧客
配信内容 問い合わせた製品への購入促進、購入した製品の使い方、リピート促進 など
メリット 顧客の関心を段階的に引き上げることができる
注意点 顧客心理に合わせたメール原稿や配信スケジュールを練る必要がある
ステップメールが配信可能なメールシステムの導入にコストがかかる場合がある

まとめ

メールはお客さまとコミュニケーションを取れる手軽なツールです。予算や人手が不足していても導入しやすいため、上手に活用すれば高いマーケティング効果も期待できます。まずは月1回程度のメールマガジンから始め、自社に合ったメール施策を設計していきましょう。

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