昔ながらの飛び込み営業やテレアポに加え、電子メールで販促する「営業メール」は、顧客獲得手段のひとつです。
特に、コロナ禍によってリモートワークが珍しくなくなった現在、顧客も営業自身も、必ずしもオフィスにいるとは限りません。
でもメール営業なら、どこにいてもアプローチが可能です。
さらに、テキストで内容を確認できるメールは、訪問や電話による口頭での説明よりも、顧客が内容を理解しやすいというメリットも。
また、メールでやりとりした内容をテキストで残せるということは、後から内容を確認したり、認識が食い違うなどで発生しがちなトラブルを防ぐ効果も期待できます。
しかしながら、営業メールは法律でさまざまな規制がなされていることをご存じですか?
今回は、遵守しなければならないルールを中心に解説しつつ、おすすめのメール配信システムも紹介します。
目次
守らないと違反! 営業メールにはルールが存在する
企業が出す営業メールは、「特定電子メール法」という法律に従って送信しなければなりません。以下、特定電子メール法について解説します。
特定電子メール法とは?
一般的に、「特定電子メール法」や「迷惑メール防止法」と呼ばれている「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」は、2002年に施行されました。 特定電子メール法はチェーンメールや迷惑メールを防止し、健全なインターネット環境を維持するために作られたもの。さらに2008年には法改正が行われ、メール送信にはオプトイン方式が導入され、罰則も強化されました。
どんなメールが特定電子メール法の対象となる?
では、特定電子メール法の対象となるメールとはどんなメールなのでしょうか?
それは、特定電子メール法2条2項に記載されている「特定電子メール」であり、特定電子メールとは、「営利を目的とする団体および営業を営む場合における個人」である送信者が「自己又は他人の営業につき広告又は宣伝を行うための手段として送信する電子メール」と定義されています。
したがって、宣伝目的のメールマガジンやショートメッセージなど、ほとんどの営業メールは特定電子メールに該当するといってよいでしょう。 なお、国内へ送信されるすべてのメールだけでなく、国外から国内へ送信されるメールも対象となっています。
違反したらどんな罰則が科される?
もしも特定電子メール法に違反したメールを送信した場合は、罰則が科されます。
まず、総務大臣から是正措置命令が出されます。命令に従わない場合には、1年以下の懲役または100万円(法人は3000万円)以下の罰金が科されます。 さらに是正措置命令が出されると、総務省のWebサイトに違反者である企業名とその詳細が掲載されるため、社会的信用の低下は免れません。
どんなメールが違反にあたる?
では、どういったメールが「違反」とみなされるのでしょうか? 主な具体例をみてみましょう。
(1)メール受信の同意がない人、受信を拒否した人にメールを送信するという、オプトイン方式を守っていない行為
(2)不特定多数の人に営業メールを一斉に送信する行為
(3)退会した人にメルマガを送信し続ける行為
また、メールには送信者の氏名・住所・配信停止方法などを記載しなければならず、表示がない場合や送信者情報を偽造した場合も違反となります。架空の企業名での営業メールなどがこれに該当します。
メール営業における「オプトイン」と、例外のケース
2008年の特定電子メール法改正により導入された「オプトイン」方式とは、あらかじめ同意した受信者にのみ営業メールの送信が認められる、というものです。 しかし、受信者の同意がなくても営業メールの送信が可能な「例外」があります。
まず、すでに取引関係にある人・企業に対しては、同意を得る必要はありません。また、交換した名刺にメールアドレスが記載されているなど、自らメールアドレスを通知した人・企業に対しても、同意は必要ありません。ホームページにメールアドレスが記載されている場合も同様です。
ただし上記のようなケースでも、前もって営業メールを断っている場合は同意が必要となります。
義務付けられているオプトイン取得の記録と保管は?
さらに特定電子メール法では、受信者がメール送信に同意したこと=オプトインを取得したことを明示した記録の保管を義務付けています。同意を受けた時期や方法を、メール配信の停止日から1か月間(措置命令を受けていた場合は1年間)、保管しなければなりません。
これに違反するとやはり罰則が科されるので、オプトインの記録・保管は忘れずに行いましょう。
「オプトアウト」とは? そしてその例外とは?
「オプトアウト」とは、受信者が営業メールなどの配信停止を希望することです。特定電子メール法では、受信者がスムーズにメールの配信解除ができるように、オプトアウトする方法とそのリンクの記載を要求しています。これに違反した場合も、罰則が科されることに。
また解除されにくいように、リンクを小さな文字で記載したり、分かりにくく表示したりすることも違反の対象となります。 ただしオプトアウトにも例外があり、契約の履行や広告・宣伝以外のメールにおいて、付随的に広告・宣伝が行われる場合には、受信拒否があってもメールの送信が可能です。
「特定電子メール法」と「特定商取引法」の違いとは?
ところで、特定電子メール法と同様に、迷惑メールを規制する法律として「特定商取引に関する法律(特定商取引法)」があります。
特定商取引法の目的は消費者保護・公正な取引の実現であり、規制の対象者は販売業者・電子メール広告受託事業者です。したがって規制の対象となるメールは、ECサイト商品のメール広告などになります。 また特定商取引法でも、特定電子メール法のようにオプトイン方式を採用し、オプトインの記録と保管が義務付けられています。これらに違反すると措置命令の行政処分や懲役・罰金刑の刑事罰が科されます。
便利なメール配信システム、どんなものがある?
さて、特定電子メール法を理解したうえで実際に営業メールを送信することになったら、できるだけ効率的に行いたいですよね。そこで利用したいのが、自動でメールを送信してくれる「メール配信システム」。メール配信システムには、利用目的によっていくつかの種類があります。
例えば、メールの到達率・大量配信を重視するなら、強固なメールサーバーで構成された配信支援型がおすすめ。また、メルマガの運用を改善したいのであれば、メールの開封率・URLのクリック率などを測定してくれる効果検証型がいいかもしれません。
さらに、HTMLメール作成機能が搭載されたものもあり、HTMLの知識を必要とせずに、カラフルなメールが送信できるものもあります。費用対効果を考えて、自社に必要なメール配信システムを選びましょう。
メール配信システムをお探しならHirameki 7がおすすめ
Hirameki 7のメール配信システムは、前述したHTMLメールをノーコードで作成できるため、知識がない方でも簡単にビジュアル訴求が可能なメールを作成することができます。また
- 配信停止ページも簡単に作成
- 「営業リスト検索」機能を併用すれば、ホームページに記載のあるメールアドレスを取得でき、新規顧客開拓も可能
- メール配信の成果(開封数やクリック数など)をダッシュボードで確認可能
などメール営業を行うにあたり便利な機能を多数そろえています。無料でお試しすることもできるため、まずはアカウントを登録ください。
まとめ
以上のように、営業メールを送信する際には、オプトイン・オプトアウトをはじめ、気をつけなければいけない点が多数あります。
1回の違反ですら、企業としては致命的です。営業メールの担当者は、特定電子メール法をよく理解して営業メールを作成しましょう。そしてその際にはメール配信システムをうまく利用して、手際よく営業メールを送信しましょう。