さまざまな業務の効率化に繋がるAI。Webサイトのコーディング作業もそのひとつです。
しかし、AIモデル自体も増えてきて、どのAIを活用すべきか悩む方も多いのではないでしょうか。本記事では、コーディング作業におけるおすすめのAIモデルを、弊社コーダーが実際に使用してみた感想を基にご紹介いたします。
これからコーディング作業を効率化させたいと考えている担当者の方はぜひご確認ください。
目次
WebサイトコーディングにおすすめのAIモデル3選
Webサイトのコーディングを行う際におすすめのAIモデルを、実際に弊社コーダーが使用してみた感想を基に3つご紹介します。制限はあるもののフリープランがあるAIモデルになるので、実際に使用感を確認してみるのがおすすめです。
- 料金やサービス概要は、2025年12月時点で公式ホームページに掲載されていた情報を基に紹介しております。
Claude
| 使用したモデル | Claude Opus 4.5 |
|---|---|
| フリープラン・トライアルの有無 | フリープラン有 |
| 有償プランの最安月額料金 | 20ドル~ |
- Tailwind CSSやReactを活用した、シンプルながらも全体的に完成度の高いデザインを生成しやすい
- モダンで洗練されたUI設計
- フロントエンド実装の精度が高く、曖昧なプロンプトでも意図を汲み取り正常に動作するコードを初回から生成できる
- アーティファクト機能によってブラウザ内でリアルタイムプレビューが行える
ChatGPT

https://chatgpt.com/ja-JP/overview/
| 使用したモデル | GPT‑5.1 |
|---|---|
| フリープラン・トライアルの有無 | フリープラン有 |
| 有償プランの最安月額料金 | 20ドル~ |
- 実用的で汎用性の高いデザインを生成する傾向
- ビジネス向けの堅実な見た目は得意な分、やや平凡な印象になる一面がある
- SEO対応やアクセシビリティにも考慮したコードを生成されるが、デバッグが必要な場合がある
- コード出力のみでライブプレビューがないため、外部エディターなどでの確認が必要となり、デザインの確認には一手間かかる
Gemini

https://gemini.google/jp/overview/canvas/
| 使用したモデル | Gemini 3 Pro |
|---|---|
| フリープラン・トライアルの有無 | フリープラン有 |
| 有償プランの最安月額料金 | 2,900円~ |
- Material Design※準拠のクリーンなUIが得意
- マルチモーダル性能に強みがあるため、手書きスケッチや参考画像を元にした、ビジュアルベースの開発には最適
- 曖昧なプロンプトでも、細部まで作りこまれたUI設計が施されたデザインが生成されるが、部分的に表示崩れが発生しやすい
- チャットUI内でコードの確認とライブプレビューが可能
- Material Designとは:Googleが推奨する「見やすく、直感的に操作できるWebページ・サービス」を作ることを目的としたデザインガイドライン
コーディングをAIに任せるメリット
AIを活用したコーディングは、従来の方法と比較して作業効率が向上します。また、専門的な知識が十分でなくても、基本的なWeb制作やHTML・CSSのコードを自動で作成できるため、初心者や経験の浅い方でも安心して利用できます。ヒューマンエラーも減らすことが可能で、ソースコードの品質を一定に保つことができるのも特徴です。
作業効率が向上する
AIによるコーディングは、業務の効率アップに直結します。
例えば、ホームページを制作する際、スマートフォンやタブレット、パソコンなどそれぞれの端末に最適なレスポンシブデザインを取り入れたい場合があります。従来はCSSのメディアクエリ※を活用し、ゼロから時間をかけてコードを作成する必要がありました。しかし、AIコーディングなら「レスポンシブデザイン対応」と指示するだけで、必要なHTMLやCSSコードを自動で生成できます。
- メディアクエリとは:CSS3の一部で、デバイスの特定の条件に応じてスタイルシートを適用するための技術
ほかにも、テンプレート作成や部分的な修正にも迅速に対応できたり、社内業務や開発フローの品質管理も容易になるため、従来よりも少ない労力で高品質なWeb制作が実現できるのです。
ヒューマンエラーを防げる
AIによるコーディングはヒューマンエラーを大幅に減らすことができます。
たとえばHTMLやCSSでリストやレイアウトを作成する場面では、タグの閉じ忘れやかっこのミスなど、細かなヒューマンエラーはつきものです。こうしたミスを見落とすと、画面が正しく表示されなかったり、あとから修正が必要になったりと余計な手間が発生します。
AIの場合、何度コード生成を繰り返しても、パターン化されたルールや学習データをもとに処理を行うため、同じソースコードを安定して出力できます。長時間作業や複雑な構造のWebデザインをした場合でも、人間のような疲れや集中力低下によるミスが起こりません。
経験・スキル不足を補える
AIコーディングを利用することで、コーディング経験やスキルが不足している場合でも、一定レベルのソースコードを短時間で生成できる点もメリットのひとつです。
たとえば、HTMLやCSSの知識が浅い状態でも「固定ナビゲーションを作りたい」「ボタンを配置したい」といった目的を具体的に指示すれば、必要なコードをAIが自動で作成します。実際に出力されたコードを使用し、Webサイト上でどのように表示されるかをすぐに確認できるため、自己学習や業務での試行錯誤に役立てることが可能です。
このプロセスを繰り返し行うことで、プログラミング言語やWeb制作のスキル向上にもつながり、将来の業務効率化に大きく貢献します。
コーディングにAIを活用する際のポイント
AIによるコーディングを効果的に活用するには、いくつかのコツを意識することが大切です。どのAIモデルもアップデートにより、指示が曖昧でも精度の高いアウトプットをしてくれるようになってきていますが、工数を減らすためには、明確で具体的な指示を分割して伝え、背景や目的を説明することが大切です。
明確で具体的な指示を出す
AIを十分に活用するには、CSSやHTMLなどのコード内容をできるだけ明確に伝えることが重要です。「ログインフォームを作って」といったあいまいな指示では、出力される内容が期待と異なる場合や余計な手直しが発生しがちです。「メールアドレスとパスワードを入力できるログイン画面をHTMLとCSSで作成してほしい」というように、使用する技術や画面の構成などを具体的に指示するようにしましょう。
AIは人間と異なり、抽象的な表現や曖昧な指示の解釈があまり得意ではありません。どんなパーツが必要か、どんなデザインにしたいかなど、詳細な内容を入力しましょう。具体性のある指示であればあるほど、ミスや確認・修正の手間を減らせます。
背景・目的などを説明したうえで指示を出す
背景や目的もあわせて伝えると、より精度の高いアウトプットが期待できます。たとえば「LPを作って」と伝えるより「セミナーのお申し込み獲得に使うLPを作成したい。」と伝えた方が、AIが意図を理解し目的にあったコードをアウトプットしてくれます。
- どういった目的で使用するのか
- 制約条件
- ターゲット層
- デバイス
- 言語
などをあわせて伝えるようにしましょう。
作業を分割して少しずつ指示を出す
AIコーディングをより効果的に進めていくためには、いきなり複雑な内容全体を任せるよりも、作業を細かく分割して段階的に指示していく方法が理想です。
例えば、まずはナビゲーション部分だけ、次にフォームだけ、というように工程ごとにAIへ具体的なプロンプト(指示内容)を入力します。段階的に出力結果を確認しやすくなり、意図と異なるアウトプットになった際の修正もスムーズに行うことができます。
指示の粒度によるアウトプットの違い
前述したポイントに関して、実際にどのような違いがでるのかをGeminiを活用して比較してみました。

▼プロンプト セミナー集客に使用するLPのメインビジュアルをコーディングしてください Webマーケティングを学べるセミナーです

▼プロンプト セミナー集客に使用するLPのメインビジュアルをコーディングしてください ・CTAはセミナー申し込み ・無料 ・Webマーケティングを学べる講座 ・ターゲット層は未経験~若手 ・他打ち出すべきポイントがあれば含めてほしい
レイアウトに大きな違いはないものの、細かく指示を出した方ではターゲット層にあわせて「初心者向けのセミナー」であることが伝わるように、メインコピーやポイントの内容が調整されているように見受けられます。
また、セミナーが「無料」である情報から、CTAのテキストに無料の文言を含めてアウトプットしてくれていますね。
上記のように細かく指示を出した部分をしっかり反映してくれていますが、指示を出していない部分(申し込み時に取得する項目/ヘッダーの構成など)でも差分がでています。同じ内容でもアウトプットに変動があるため、できる限り具体的に指示を出すのが良いでしょう。
ただし、どのような訴求内容で構成すべきかの知見が少ない場合は、最初はAIに任せるのもおすすめです。
たとえば、セミナーに関しては日時を訴求することが大切です。しかし、細かく指示出しを行った方では日時の情報を伝えていないためか、訴求がありません。このように細かく伝えることで、本来入れるべき内容が指示に含まれていない場合に、アウトプットとしても抜けてしまう可能性があります。
そのため、「そもそもどのようなコンテンツを用意するべきか分からない場合」は、背景や目的・目標などを伝えたうえで、訴求内容自体はAIに任せるようにしましょう。そのアウトプットされた内容を基に肉付けをしていくことで、知見が少ない場合でも適切なページ作成を行うことが可能です。
より簡単にAIを活用するならホームページ制作ツールがおすすめ
AIを活用し、より簡単にWebサイトを作成するのであれば専用ツールの利用がおすすめです。
ホームページ制作ツールを活用することで、専門知識不要でページを作成することができます。AIでWebページを生成した後に、テキストや画像の差し替え、コンテンツの追加なども簡単に行えるツールが多く、コーディングの知識が浅い場合もイメージ通りのページを作成することが可能です。
また、サーバーの用意が不要であったり、ドメインもツール内で取得できるツールが多く、即時公開できる点もメリットです。
おすすめのツールや、利用時のポイントなどは以下記事で紹介しているのであわせてご確認ください。
まとめ|AIモデルの特徴を理解して業務の効率化につなげよう
今回は、AIを活用してWebサイトのコーディングを行う際に、おすすめのAIモデルをご紹介しました。AIを活用することで、コーディング作業が効率化されますが、使いこなすためには事前理解が大切です。
また、コーディングの知見が十分でない場合は、ホームページ制作ツールの活用がおすすめです。達成したい要件・自身のスキルを踏まえて、適切な手段でAIを活用するようにしましょう。

