営業手法として、定番ともいえるテレアポ。時代の変化とともに、電話をかけることが減ったビジネスの現場ですが、テレアポがもたらす成果はまだまだ無視できません。
しかし、テレアポはうまくやらなければ、会社のイメージを下げる原因にもなります。
今回は、テレアポについての基本的な知識や、テレアポの成功率を高めるテクニックなどを紹介していきます。
目次
テレアポはなぜ必要なのか
SNSやメールなどのデジタルツールが普及している現代でも、営業のために電話をかけるテレアポはまだ残っています。 テレアポが必要とされる理由は、相手の気持ちを動かすことができるため。デジタルツールは簡単に情報を発信できますが、受け取る側はその情報を容易に取捨選択できるため、興味のない情報には、何の反応も示されない可能性があります。
しかしテレアポはもしも時間を得られたら、購入してほしい商品・サービスについて、直接しっかりとアピールできます。 また、訪問の約束などを取り付けたり、重要な話をしたりするためにデジタルツールは使うべきではない、と考える人が少なからずいることも、テレアポが必要とされる理由といえるでしょう。
デジタルツールを使うことが本当にマナー違反かどうかは意見が分かれるところですが、相手を不快にさせてしまっては、それ以上の営業は難しくなります。 重要な話にはデジタルツールを使うべきではない、という人に対応するため、テレアポは必要なのです。
テレアポで受付突破の4大テクニック【準備編】
それでは、テレアポに活用したい4つのテクニックをご紹介しましょう。
声のトーンは「丁寧・明るい」を意識
テレアポで武器といえるのは、オペレーターの声です。 声には話す人の感情を込めることができ、トーンや抑揚を変えることで、相手に与える印象も大きく変わります。
テレアポは、商品・サービスのことを知ってもらうため、あるいは購入を検討してもらうための営業手段です。そこでネガティブな印象を与えると、相手の興味を引くことはできません。 ポジティブな印象を持ってもらうためには、明るく丁寧に話すことを心がけましょう。
相手の立場を考えたタイミングが成功のカギ
相手にとって都合の良いタイミングに電話をかけることは、基本中の基本です。相手が電話対応できないであろう時間帯を避ければ、テレアポは成功しやすくなります。
例えば飲食店であれば、ランチやディナーの時間帯に営業の電話に対応する余裕などありません。小売店の場合は、開店準備をしている朝は忙しいでしょう。 それ以外の業種でも、ランチに行く人が多い昼休みは、電話を避けた方がよい時間帯。相手の立場を考えて電話をかければ、タイミングを間違えることはなくなります。
ゲートキーパー(受付)が判断できないであろう質問をする
かかってきた電話に最初に対応する人は、「ゲートキーパー(受付)」と呼ばれます。数多くの営業や問い合わせなどに対応できるプロフェッショナルですが、そのゲートキーパーがとっさに判断できないような、どう答えてよいか分からないような質問をするのも、1つのテクニック。
例えば、「御社の事業にご提案した弊社のサービスについて、ご担当者様のご意見をうかがいたいのですが」などと、その担当者でなければ分からない、判断できないような質問をすると、ゲートキーパーは判断できる人に取り次いでくれる可能性が高まります。 ただし、くれぐれも明るく、丁寧に話すことを忘れないようにしましょう。
企業リストと分析は丁寧に
テレアポの成功率を高めるため、役立つのが企業リストです。 企業リストとは、社名や住所といった法人情報のほか、株価や市場シェアなど役立つ情報をまとめたもの。その情報を分析すれば、テレアポで営業をしやすくなるでしょう。
この企業リストは自社で作成することもできますが、デメリットは時間がかかってしまうこと。あまり時間をかけたくないなら、業者からの購入や企業リストを作成してくれるツールを利用するという方法もあります。
企業リスト作成のツールは、初期費用が無料なものや、月々の利用料金がリーズナブルなものも数多くあります。自社で作成するよりも時間の節約になり、精度も高いのでテレアポの強力な武器となるでしょう。 また、IP分析によって自社サイトを訪れた企業をリスト化し連絡すれば、さらに成功率を高めることができるでしょう。
Hirameki 7の営業リスト検索は、月額7,000円(税抜)~で100万件以上※の企業情報から、業種/地域/社員数/電話番号有無などのさまざまな条件でリストの抽出が可能です。初期費用も無料でおすすめのサービスです。
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成功率をあげるトークテクニック【実践編】
4つのテクニックの準備ができたら、いよいよ実践。ここでは、テレアポに役立つトークのテクニックをご紹介します。
「選択肢は2つだけ」が成功するコツ
2つの選択肢から一つを選ばせる選択話法は、テレアポで使いやすいテクニックです。
商品・サービスについて「質問はありませんか」と投げかけても、選択肢がないと相手は考える時間が必要になります。営業中に話が止まると、相手の気持ちも冷めてしまうでしょう。 そこで、選択肢を用意しておくことで、相手が即座に回答しやすい状況をつくるのです。 なぜ選択肢が2つなのかというと、多すぎる選択肢もまた迷いをもたらします。シンプルに二者択一の質問にする選択話法が、テレアポにおいて最適なトークテクニックといえます。
焦らず、畳みかけず
テレアポは、相手が商品・サービスの良さを認めてくれなければ、契約や訪問の約束を取り付けるところまでこぎつけられません。
そのためにも、焦って相手に結論を出すよう急がせたり、相手が何を考えているのかを知ろうとせずに話を畳み掛けたりすることはNG。そんなことをすれば、相手を不快にさせて、話はそこで終わりになってしまいます。 断られたくないという気持ちから、つい一方的に話してしまいがちですが、相手とのコミュニケーションを大切にしましょう。
不要な情報はカットして簡潔に
セールストークではより多くの情報を伝えたいと思うでしょうが、人間の集中力には限界があり、話が長くなると内容を理解できなくなります。
相手に最後まで話を聞いてもらうためにも、内容を精査し、伝えたいことや相手のニーズに合うものは何か明確にする作業が必要です。相手にとって不要な情報を削ぎ落とせば、簡潔で理解しやすいセールストークができあがるでしょう。
【顧客別】成功率をあげるテレアポトークスクリプトBtoB(法人)セールス向け
ところで、テレアポのセールストークをスムーズに進めるためには、話の流れをまとめた「トークスクリプト」が役立ちます。 「トークスクリプト」は、 最初は「挨拶」から始めるとよいでしょう。堅苦しい言葉よりも親しみやすい言葉にした方が、印象が良くなります。
次に、相手の警戒心を解くために「自己紹介」を行い、電話をかけた目的につながる「導入」に入ります。導入でいかに興味を持ってもらえるかが、結果を左右します。 そこから、売り込みたい商品・サービスの紹介などをする「本題」、最後に契約や商談の日程を決めるなどの「クロージング」が基本的な流れです。
ここでトークスクリプトの例文をまとめていきましょう。
■挨拶
「おはようございます」や「はじめまして」というもので十分です。
■自己紹介
「(商品名・サービス名)を販売している株式会社〇〇の△△です」や、「創業から30年になる株式会社〇〇の△△です」など、相手が具体的にイメージできるようにすると、信用してもらいやすくなります。
■導入
「ただいま販売している商品をご案内しているのですが、御社では〇〇についてお困りではありませんか?」「弊社で開発しているシステムは、導入することでコストを○割削減できた実績を持っています。御社に紹介させていただければと思い、お電話を差し上げました」といった形で本題につなげましょう。
■本題
内容を簡潔にするよう心がけて、相手の反応をみながら話していきます。
■クロージング
相手の反応が良ければ「可能でしたら一度ご紹介させていただけないでしょうか。よろしければ月曜日か火曜日の午後はいかがでしょうか?」といった言葉で締めます。
相手に興味を持ってもらえなかったときは、「また機会がございましたら、連絡させていただきます。お忙しいところありがとうございました」と締めましょう。
テレアポは準備と話し方に気をつけよう
テレアポは、何も考えずにセールストークをしても、話を聞いてもらえません。
相手に話を聞いてもらうためには、理解しやすいように話の構成や内容を考えて、相手のニーズを的確に捕まえることが重要です。それができれば、成功率を大幅に高めることができるでしょう。
準備をしたのに失敗したときには、何が問題だったのかを分析すれば、次に生かせます。そうして試行錯誤を繰り返していくことで、上手なテレアポができるようになるはずです。