コロナ禍以降、当たり前のように利用されるようになった「オンライン営業」。
皆さんもweb会議ツールを使って営業や商談をする機会が増えてきているのではないでしょうか。
この記事では、オンライン営業の基本的な知識から、実践する前に知っておくべきビジネスマナー、オンライン営業においてよく利用されるZoomの活用法などを解説していきます。
目次
オンライン営業とは?
オンライン営業とは、顧客や見込み客への営業や商談をインターネット回線を使って行うことです。
インターネットに接続されたパソコンやタブレットなどの端末でWEB会議システムを使用すれば、時間や場所を問わず営業できることがオンライン営業の魅力です。対面営業は商談相手を訪問するため電車や自動車を利用しなければならず、交通費や移動時間などのコストが発生してしまいます。
しかしオンライン営業であれば、移動は不要。会社の所在地に縛られず、営業活動のエリアを全国に広げられます。
また移動にかかるコストを削減できるだけでなく、国内はおろか国を越えての通信も可能なため、グローバルな事業を展開する企業にとって、非常に便利な営業手法といえるでしょう。
対面での商談だと、移動時間も含めて1日多くても3、4件といったところですが、オンライン営業であれば、スケジュール次第で5、6件の商談を行うことも可能。1日の商談件数を増やすことができるというメリットもあります。
テレワークの増加でオンライン営業が増加
オンライン営業を導入するにあたってハードルとなるのは、円滑にインターネット回線を通じた会話ができる環境を整えること。しかし、コロナ禍の影響でその問題も解決しつつあります。
国土交通省の「テレワーク人口実態調査※」によれば、約6割の人が緊急事態宣言が発令された4月以降にテレワークを開始したと回答。また、約64%の人がテレワークに総合的に満足しており、今後も実施したいと回答した人は約82%という結果が出ています。
対面での仕事を避けようとする動きが社会的に広まったことから、これまで対面営業を重視していた企業も、積極的にテレワークを導入し、テレワークに必要な環境を整える動きが活発になっています。
テレワークに必要な環境とは、すなわちオンライン営業に必要な環境。設備が整ったオフィスからのオンライン営業だけでなく、従業員の自宅やコワーキングスペースからのオンライン営業も容易になりました。
- 国土交通省「令和2年度「テレワーク人口実態調査」」
オンライン営業をする上で守りたい、3つのビジネスマナー
では実際にオンライン営業をする際、どんなことに気を付ければよいのでしょうか? ここでは特に気を付けたい3つのマナーを紹介します。
商談の始まりと終わりを明確にする
対面営業であれば、商談の始まりと終わりは明確です。会議室や応接室に入る前にドアをノックし、名刺交換で相手の名前を確認しスタート。商談が終わったらあいさつをして退室をすれば終了です。
しかしオンライン営業は、お互いの端末がWEB会議システムに接続されたらスタートし、その接続を切ったとたんに終了します。しかもWEB会議システムを通じて相手とつながると即座に話せてしまうので、対面営業に比べて、商談の始まりと終わりが分かりにくいことが難点です。
オンライン営業であっても、対面営業と同じく相手に失礼がないように、始まりと終わりのあいさつや自己紹介を分かりやすく明確に伝えることを心がけましょう。
身だしなみを整える
オンライン営業では、ビデオに映らないところは商談相手に見えません。また、肉眼に比べてWEBカメラは不鮮明なので、身だしなみが整っていなくてもある程度はごまかせるかもしれません。
しかし油断した格好でオンライン営業に臨めば、そのだらしない一面が商談相手にも伝わってしまう恐れが。そのせいで話を真剣に聞いてもらえなくなったら、大きな痛手です。
また照明も大切なポイントです。照明の明るさや当たり方によっては表情が暗く見えてしまうことがあります。
なるべく良い印象を与えるためにも、髪やひげ、メークなどはもちろんのこと、衣服に乱れや汚れがないかなど、身だしなみを整えた上で、適度な明るさになっているか確認してから開始するようにしましょう。
表情や声のトーンを明るくする
オンライン営業で商談の武器となるのは、ビデオに映る顔とマイクにのる声です。そのため、暗い表情とトーンで話をして商談相手にネガティブな印象を与え、売り込みたい商品やサービスなどの印象までも悪くしてしまったら、オンライン営業は失敗しかねません。
営業は、相手に良い印象を与えることも大切なことの1つ。笑顔で明るいトーンの声を相手に届けることを意識しましょう。
オンライン営業を始める前に。知っておくべきZoomの基本
オンライン営業でよく利用されているZoom、使いこなせていますか? Zoomの利用にあたって、知っておきたいことをみてみましょう。
ミーティング
Zoomにおける基本の機能が、ミーティングです。ミーティングは、Zoomのシステムを利用してバーチャルな会議室を作れ、参加者はビデオや音声を使って話し合えます。
Zoomには無料版と有料版がありますが、有料版であれば、ホストがほかのユーザーとホスト権限を共有できる「共同ホスト機能」を利用可能。また無料版では、ミーティングには40分という時間制限がありますが、有料版では延長できるので、複数人で長時間の会議や商談をするなら有料版の方がよいでしょう。
ミーティングのホスト(主催者)には、参加者への画面共有のほか、参加者の音声のミュートやビデオの停止、チャットの送信など、会議の進行に役立つさまざまな権限が与えられます。
また、ホストは参加者を商談に招待できます。事前に会議の予定を通知できる機能も使えるので、繰り返し行われる定例会議などには便利です。
バーチャル背景
Zoomは、パソコンなどのデバイスとインターネット回線さえあれば、どこでも会議や商談ができることが魅力。でも自宅だと家族がいたり、見せたくないものがあったりすることもあるでしょう。
ビデオに映したくないものがあるときは、バーチャル背景を設定することでプライバシーを守れます。社名やロゴマーク、自分の名刺などを加工して作ったバーチャル背景を使えば、商談相手への印象を強められるかもしれません。
オンライン営業をするなら。利用したいWEB会議システムの機能3選
ZoomなどWEB会議システムを使ったオンライン営業で、利用したい機能を3点ピックアップ。ぜひ参考にしてみてください!
資料も共有できる画面共有
画面共有機能とは、自分のデバイスに表示されている画面を相手も見られる機能です。
対面営業であれば、表示されている画面や印刷した資料を、商談相手に見せたり手渡したりできるでしょう。しかし、オンライン営業ではそれは不可能。メールやSNSのDMなどに資料のデータを送ることもできますが、画面共有機能を使えば資料を送る手間も省け、同じ画面を見ながら会話ができるので、商談にも活用できます。
会議内容の振り返りに使える録画機能
WEB会議システムの録画機能を利用すれば、会議や商談をまるごと残すこともできます。
録画は議事録として残せるだけでなく、商談で何らかのトラブルが起きたときに、参加者の発言や提示した資料を検証できるというメリットも。ただし、無断での録画はプライバシーの侵害にあたり、商談相手との関係悪化の危険性もあります。録画をする際は必ず相手の許諾をとりましょう。
テキストでコミュニケーションがとれるチャット
WEB会議システムを利用したオンライン営業は、ビデオと音声を使ってコミュニケーションをとれるのが大きな特長ですが、テキストを用いるチャットも、議事録を残したり一部の参加者にメッセージを送ったり、といった使い方ができて便利です。
また、商談の中で確認してほしいWEBサイトのURLや、アジェンダ(課題)などを提示するときにも使えます。
オンライン営業でも対面営業のようにビジネスマナーを意識しよう
コロナ禍以降、オンライン営業という新たな営業手法が社会に定着しつつあります。
重要なことは、対面営業と同じようにビジネスマナーを意識することです。オンライン営業でも「人」を相手にする以上、礼を欠く振る舞いはNG。WEB会議システムを使いこなして、スムーズなコミュニケーションを目指しましょう。