企業のDX推進とは?目的と課題、4つのステップを解説

企業にとってDX(デジタルトランスフォーメーション)の重要性はますます高まっています。しかし、実際にはDX推進に取り組めていない企業も多く、「何から始めたら良いか分からない…」と悩んでいる人も少なくありません。

そこで、企業がDX推進すべき理由やメリット、具体的なステップ、ツールなどを解説します。DX推進を実践するためのヒントにしていただければ幸いです。

目次

企業のDX推進とは?

DX推進とは、DX化の取り組みを推し進めることです。DX化はデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズをもとに業務や組織、ビジネスモデルを変革することで、業務改善や効率化を目指してデジタル技術を導入するデジタル化とは異なります。

DX推進は、企業に持続的な価値の向上をもたらします。例えば、業務の自動化による生産性の向上は利益の拡大につながりますし、デジタル技術を用いた新規事業の開発は企業の成長を促進してくれるでしょう。

DX推進の目的と背景

企業がDXを推進する目的は、生産性の向上やビジネスモデルの変革による競争力の強化にあります。世界中でデジタル技術によるイノベーションが多発している中、DX推進は避けることのできない喫緊の課題とされています。

その根拠となるのが、経済産業省が2018年に発表した「DXレポート」の中で指摘した「2025年の崖」問題です。日本企業全体のDXが進まなかった場合、経営面のリスクとして「市場の変化に対応できないこと」「システムの維持管理費の高額化」などが挙げられ、「2025年以降、年間最大12兆円の経済損失が生じる可能性がある」と警鐘を鳴らしています。加えて、自然災害やパンデミックなどの緊急事態に対するBCP(事業継続計画)においても、企業のDXは欠かすことができません。こういった背景から、DX推進は事業の継続に必須となっています。

DX推進が企業にもたらすメリット

日本企業全体の課題といえるDX推進ですが、具体的にはどのようなメリットが得られるのでしょうか。DX推進によって得られる5つのメリットを紹介します。

業務の効率化と生産性の向上

DX推進のメリットとして真っ先に挙げられるのは、デジタル化による業務の効率化と生産性の向上です。今まで紙や人力で行っていた煩雑な作業をデジタルに置き換えることで、工数の削減やヒューマンエラーの減少を期待できるでしょう。

単純作業や管理業務を最小化できれば、社員が重要度の高い業務に集中できたり、新しい施策を打つためのリソースを確保できたりと、企業全体の底上げにも直結します。

コストの節約

DX推進は、コストの節約にも有効です。業務のデジタル化によってムダな作業が減少したり、ワークフローが簡素化したりすれば、人件費を削減できます。

同時に、AIIoTの活用による製造・物流コストの低減や、クラウドサービスの導入によるITインフラの維持コストを減らすことが可能です。事業の収支を分析することで予算や支出を最適化でき、無駄な出費を抑えることもできます。

顧客満足度の向上

DX推進は、顧客満足度の向上にも効果的です。顧客データをデジタルで一元管理することで、顧客対応のパーソナライズが可能となり、個々の顧客に最適な商品・サービスを提案できるようになります。在庫管理システムの導入や顧客対応のAI化などによって、スピーディな顧客対応も可能となるでしょう。

さらに、データの利活用によって顧客ニーズを分析できるため、適切な商品・サービスの改善や顧客が真に求める新商品・サービスの開発にも役立ちます。総じてデジタル化によって事業のクオリティ向上が期待でき、結果的に顧客満足度も高めることができるのです。

意思決定の迅速化

DX推進によって顧客データの分析が可能となり、意思決定が迅速化することも利点です。客観的なデータが裏付けとなって社内での議論や合意形成が加速し、先手先手の戦略を打つことができます。

加えて、データの利活用によって顧客ニーズや市場のトレンドなどを把握することも可能です。リニアで的確な経営判断を下せるだけでなく、マーケットの変化にも対応できるようになります。

リスク管理とBCPの強化

DX推進は、リスク管理やBCP(事業継続計画)の強化にもつながります。レガシーシステム(古いシステム)は改善を繰り返した結果、仕様が煩雑化し、保守管理を担える人材が不在となる傾向があります。しかし、システムを見直して一新すれば、誰も扱えない「ブラックボックス化」を避けられ、セキュリティ面でのリスクも低減できます。

業務を停止せざるを得ない自然災害が発生しても、テレワークを導入していれば業務の早期再開が可能です。また、デジタル化によって業務の分散化や生産性の向上が実現できていれば、被害を最小限に抑えることができます。DX推進によるリスク管理とBCPの強化は、企業の持続可能性を大きく高めてくれるでしょう。

DX推進を阻む課題

多くのメリットがあるDX推進ですが、実現に向けて解決すべき課題があります。以下で、日本の多くの企業が取り組む中で直面する課題について解説します。

経営戦略や明確な目標の提示

DX推進の課題のひとつとして、明確な目標と経営戦略の提示が挙げられます。DX推進は単なるデジタル技術の導入ではなく、ビジネスモデルや組織でなく企業全体に影響する取り組みです。そのため、達成すべきビジョンや経営戦略との整合性が求められます。

無計画なDX推進はリソースやコストのムダ遣いを招き、事業全体に悪影響を及ぼしかねません。経営戦略や明確な目標を伴わなければDX推進を成功させることは難しいでしょう。事前に経営層がDXを盛り込んだ経営戦略と目標を立案し、企業全体の課題として解決策を模索することが重要です。

一貫性のあるシステム構築

一貫性のあるシステム構築が求められることも、DX推進の課題です。既存システムを継続利用している企業は少なくありませんが、DXを推進するためには既存システムからの脱却が大前提です。業務ごとに独立したレガシーシステムを使い続けることでデータの利活用に支障をきたす恐れがあり、保守管理のリソースやコストもかさみます

逆に、多機能で幅広い業務を担えたり連携機能を有していたりと、一貫性のあるシステムを構築できれば、大規模なデータ分析や高効率な保守管理が可能となります。セキュリティの強化や最先端のデジタル技術の導入にもつながり、円滑なDX推進が可能になるはずです。

IT人材の確保・育成

IT人材の確保・育成もDXを推進する上での課題です。システムの開発・導入や運用・管理を行うには専門的な知識が求められますが、多くの企業ではIT人材が不足しています。IT人材の需要は高いため、採用が難しく、育成にも高度な教育・研修制度が必要で、時間もコストもかかるのが実情です。

そのため、外部のIT企業に委託することになり、コストが増えたり、対応に時間がかかったりする企業は少なくありません。日進月歩で向上するデジタル技術や激しい市場変化に対応するためには、自社でIT人材を確保・育成できる環境構築が大切です。

DX推進の4つのステップ

DX推進を実践するためには、どのようなステップで進めば良いのでしょうか。以下で、DX0から進めるための基本的な4ステップを紹介します。自社の状況にあわせてDXを推進してください。

ビジョンと目標の設定

ビジョンと目標を設定することが、DX推進の第一歩です。経営層やDX担当者などを交えて、DXによって何を実現したいのか明確にします。ビジョンが定まったら、何をもって成功と判断するのかの指標を決め、具体的な目標を設定しましょう

DXは企業全体に関わるため、ビジョンと目標を社員の間で共有することも不可欠です。全社員が一丸となってデジタル化に取り組めば、より迅速かつ効果的なDXの展開が期待できます。

データの整理とツールの導入

次に、データの整理とツールの導入を行います。事業内容やコストなど企業のデータを整理して、現状を可視化し、目標を達成するのに最適なツールを選定してください。ツール選びでは導入コストだけでなく、保守運用のしやすさなど長期的な目線で判断することが重要です。

なお、新しいツールへの移行を念頭に置いて、検討段階でデータの再整理や集約を行っておくと導入がスムーズになるでしょう。

組織とスキルセットの調整

続いて、組織とスキルセットを調整します。新しいツールの運用体制を構築するため、組織や社員のスキルセットを見直します。組織全体のデジタルリテラシーが高い場合は従来通りでも問題ありませんが、そうでないなら組織や社員の役割分担を再設定する必要があるでしょう。

運用に必要なスキルが組織全体で不足しているなら、マニュアル作成や運用フロー構築によって、運用の標準化を行います。ツール運用に関する勉強会も、必要であれば開催しましょう。

実施とフィードバック

最後は、施策の実施とフィードバックです。DX推進を実施したら、必ず結果を分析して評価しましょう。その後は成功あるいは失敗した要因を特定し、次の施策に生かしていくことが大切です。

PDCAを回し続けることで蓄積されたデータやノウハウは、デジタル化による業務改善や新商品・サービス開発につながります。DX推進はすぐには結果が出ず、一定の試行錯誤が求められます。決して焦らず適切なトライアル・アンド・エラーを繰り返すことが、DXの成功には欠かせません

また経済産業省がDXの進捗を自己診断するための指標として「DX推進指標」を策定しております。詳細は以下記事をご確認ください。

DX推進指標とは?診断手順と活用方法を解説

DX推進に必要なツール

DX推進には当然、業務の効率化やイノベーションの創出を促すツールが必要です。しかし、どのようなツールでも良いというわけではありません。自社の業務内容や課題に即していることを前提として、顧客データや業務に関するデータなどを一元管理できることも必須となります。

加えて、専門的な知識がなくても従業員が直感的に使いこなせることや、問題が生じた際に適切なサポートが受けられることもポイントです。その上で、幅広い業務領域をカバーする多機能なツールがベストでしょう。複数のツールを導入しなくても済み、コストやリソースを抑えることができます。

これらの条件を備えたツールは数多く存在し、最近では初めてDXに取り組む企業に向けた「DXツール」も登場しています。IT人材が不在でもワンツールで簡単にDXを推進できるのが魅力です。例えば、DX推進に二の足を踏む中小企業に向けて開発された「Hirameki 7」なら、企業経営の主軸となる領域のデジタル化に役立ちます。

無料ではじめられるDXツールHirameki 7については、こちらからご覧ください。

Hirameki 7の詳細はこちら  

DXツールの活用事例

多機能でユーザビリティに優れたDXツールですが、実際どのような効果が期待できるのでしょうか。 Hirameki 7を活用した成功事例を3つ紹介します。

事例1:卸売業の人材確保

卸売業を営むA社は、人材採用が課題でした。自社のホームページがないことで求人情報の発信が不十分となっており、「デジタル化が遅れている」とネガティブな印象を与えてしまう懸念も抱えていました。ホームページ開設は、もはや避けては通れない問題となっていたのです。

その解決策として導入したのは、プログラミング不要でホームページを制作できるHirameki 7でした。業種ごとに豊富なデザインテンプレートが用意されており、IT人材が不足しているA社では簡単にホームページを開設できました。

結果ホームページ経由の直接応募で人材を獲得できるようになり、採用力が強化されました。加えて、問いあわせフォームから採用に関する質問が入るようになるなど、企業の注目度も高まったようです。

事例2:サービス業の集客強化

生活関連のサービス業を展開するB社は、集客力を強化するため、申し込みフォーム付きのウェブサイトの制作を検討しており、手軽にサイトを制作できるツールを探す中で、Hirameki 7の導入を決意しました。

導入の決め手となったのは、フリープランが用意されていたことです。無料にもかかわらず「月の上限PV数」と「回答データ閲覧数」は無制限で、データ分析や名刺管理など多くの機能を搭載していることがポイントとなりました。

Hirameki 7を導入して開設したウェブサイトにメニューの詳細を載せ、サービスのアピールに活用し、申し込みフォーム経由で予約につなげることにも成功しています。

事例3:建設業の生産性向上

卸売業を営むC社は、ITインフラの刷新が課題でした。例えば、業務で使うデータの容量が大きすぎるため、メールで送信できないという問題があり、生産性の低下や業務遅延のリスクもあったのです。

データ共有の円滑化を図りたいC社が解決策として導入したのが、クラウドストレージ機能を有するHirameki 7です。データの一元管理やアクセス制御など、ファイル管理機能に優れており、データに関するトラブルがなくなり、情報共有もスムーズになったといいます。社員が必要なファイルにいつでもアクセスでき、生産性も向上したのです。

DX推進は企業成長の新たな武器となる

DX推進は業務の効率化や生産性の向上、利益の拡大など多様なメリットが得られます。今後のビジネスにおいて必要不可欠であり、長期的には「企業の土台」となっていく取り組みとなります。競合他社に後れを取らないためにも、できるだけ早めに取組むのが得策でしょう。

そのためには、手軽に導入できるDXツールが最適でしょう。多様な機能を備えているため、ワンツールで幅広い業務をカバーし、企業のDX推進を強力に後押ししてくれます。

Hirameki 7は、顧客を増やすための「マーケティング」や資金を増やすための「ファイナンス」など、DXに必要な7つの領域をサポートしてくれます。DXによる企業の成長をお望みなら、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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