DXの推進を前向きに検討し始めたとき、ぶつかる壁のひとつが資金の問題です。DX導入にはハードウェアやソフトウェア、クラウド使用料といった費用がかかることもあり、中小企業の経営者の中には「資金面でDX推進を躊躇している・・・」という方も多いのではないでしょうか。そうした企業をサポートする国からの補助金があることをご存じですか? どのような制度があるのか、注意点などもあわせて紹介します。
目次
DX推進に役立つ支援制度3選
中小企業庁および独立行政法人中小企業基盤整備機構が実施している3つの補助金を紹介します。
- 掲載内容は2023年8月21日現在の情報です。
1.IT導入補助金2023
ITツール導入をサポートする制度で、ソフトウェア費やクラウド使用料などの経費の一部が補助されます。業務効率化や生産性向上に役立つITツールが経費対象になる「通常枠(A・B類型)」や、会計ソフト・受発注ソフト・決済ソフト・ECソフトが対象の「デジタル化基盤導入枠」などがあり、通常枠では経費の2分の1、最大450万円が補助されます。
対象: 中小企業、小規模事業者
事務局:凸版印刷株式会社
詳細:IT導入補助金2023
2.持続化補助金(小規模事業者持続化補助金)
販路の開拓や制度変更(働き方改革や被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイス制度の導入等)への対応などの取り組みに活用できる補助金です。取り組みにかかる経費の一部を補助金として受給できます。通常枠の補助金額は経費の3分の2、最大50万円です。
この制度は、地域の雇用や産業を支える小規模事業者の持続的な発展を支援することを目的としているため、事業者自らが経営を見直し、検討する姿勢も重視されます。
対象: 小規模事業者、一定要件を満たす特定非営利活動法人
事務局:全国商工会連合会
詳細:小規模事業者持続化補助金
3.ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)
ものづくりやサービスの新しい事業創出を目的とする制度です。持続化補助金と同様に企業や事業者自身の経営力強化を支援するもので、生産性向上につながる革新的なサービス開発や、新商品(試作品)の開発、生産プロセス改善のための設備投資などを支援します。
2022年に新設された「デジタル枠」では、DXに役立つ革新的な製品・サービスの開発の他、デジタル技術を活用した生産プロセス・サービス提供方法の改善に補助金を活用できます。補助金額は経費の3分の2、最大1,250万円で、従業員規模によって変わります。
対象: 中小企業、小規模事業者
事務局:ものづくり補助金事務局(全国中小企業団体中央会)
詳細:ものづくり補助金総合サイト
その他、中小企業庁のWEBサイトでは、創業・ベンチャー、雇用・人材、技術革新・IT化・省エネ対策、知的財産など、中小企業の経営やさまざまな取り組みに対する支援情報を検索できます。
詳細: 中小企業庁「経営サポート」
補助金を利用する上での注意点
一般的に補助金は申請後や事業終了後の審査を経て支給されるため、「申請すれば必ず利用できる」というわけではありません。交付決定前に発注や支払いなどを行うと補助対象外になる、といった点にも注意が必要です。
また、補助金額は事業の全額ではなく一部となり、対象事業などが決まっていることもあります。申請期限が短かったり、申請が下りるまでに時間がかかったりすることもあるので、申し込む制度の内容をきちんと確認することが大切です。
こう聞くと、補助金制度は「思ったよりも申請が面倒」「ハードルが高い」と感じるかもしれません。しかし、補助金を活用してDX化を推進できれば、長期的には大きなメリットが得られる可能性があります。申請作業が難しくて困ったときには、専門家の力を借りるのも一つの方法です。
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支援制度を上手に活用して、DX化の実現を
どのようにDXを推進していくのかを考えた上で、資金不足が予測される場合は、支援制度の活用が突破口になるかもしれません。申請方法や金額、使用できる範囲や交付までの期限などは制度によってさまざまです。申請する前にどの制度が自社に合っているのかをしっかり調べ、必要に応じて専門家にも相談しながら、DX化の実現に向けて取り組んでみましょう。
- 掲載内容は2023年8月21日現在の情報です。