
企業や組織が顧客や読者と定期的につながる方法を探している方は多いのではないでしょうか。マーケティングやコミュニケーション活動をさらに強化したい場合、ニュースレターの配信は大きな効果が期待できる手法です。
本記事では、ニュースレターの意味や配信するメリット、手順などを詳しく解説します。
・どのような配信形式があるのか
・ニュースレターを配信するメリット
・配信する時の手順
・読者が興味を持つテーマやネタ例
・配信する際のポイントや注意点
といった内容を紹介しているので、これからニュースレターの配信を検討されている方はぜひご確認ください。
目次
ニュースレターとは?
ニュースレターとは、企業が顧客との関係構築やコミュニケーションを目的として、定期的にメールや郵送DMで配信するコンテンツのことを指します。対象となるのは顧客だけでなく、生活者や株主、従業員、そしてメディア関係者など、企業活動に関心のある幅広いステークホルダーです。
ニュースレターとメルマガの違い
メールマガジンとは、企業が顧客や見込み顧客に対し、商品・サービス情報、お役立ち情報、お知らせなどを一斉配信する定期購読型のメールのことを指します。お役立ち情報やお知らせを送る際は、顧客との長期的な関係性構築を目的とすることが多く、「ニュースレター」とほぼ同義といえるでしょう。
逆に、商品・サービス情報は、企業の商品やサービスを宣伝して資料請求や商品購入につなげる「行動喚起」のためのメルマガになるため、ニュースレターとは目的や内容が異なります。
ニュースレターとプレスリリースの違い
次にプレスリリースとの違いですが、辞書ではほぼ同義とされています。ただ、プレスリリースが言葉の通り、プレス(報道機関)に向けて発信しているのに対し、ニュースリリースは「報道機関のみに向けた情報ではなく、より広い範囲に向けて発信している情報」と捉えることができます。
ニュースレターの主な形式
ニュースレターには大きく分けて3つのテーマ形式があります。順に説明します。
キュレーション型
キュレーション型のニュースレターは、業界内外の最新ニュースやトレンドをまとめて紹介し、それぞれに独自の解説やコメントを加えるスタイルです。多くの情報源から話題や重要な動向を集めるので、一回あたりのコンテンツ量は比較的少なめになり、継続的かつ高頻度での配信がしやすくなります。
この形式のメリットは、ネタ切れしづらいだけでなく、忙しい読者に情報を効率的に提供できる点です。たとえば、毎週の業界ニュース一覧、最新事例解説、トレンドまとめなどを短いコメント付きで発信することで、読者が重要なポイントを簡単に把握できます。
また、担当者自身の視点で編集・解説を加えることで、企業独自の価値や信頼感も伝えられます。読み手にとっても複数サイトや資料をチェックする手間が省けるため、忙しいビジネスパーソンやメディア関係者に人気があるコンテンツといえるでしょう。
記事(ブログ)型
記事(ブログ)型は、特定のテーマやトピックを掘り下げて紹介する形式です。自社商品やサービスの開発秘話、担当者インタビュー、詳細な利用事例解説などがメインとなります。企業のストーリーや裏話を発信することで読者の共感や興味を引き出し、ファンづくりやブランド強化にも直結します。
内容のボリュームが多くなることが多いため、ニュースレター自体では要点や導入部分を伝え、詳細は自社のブログやオウンドメディア、専用ページに誘導するといった設計が一般的です。これにより、ニュースレターをきっかけに読者を自社サイトへとスムーズに誘導し、より深い情報提供やコミュニケーションができます。
また、こうしたコンテンツは過去事例や活動実績を蓄積しやすく、顧客や関係者への信頼感向上にも貢献します。
ニュース型
ニュース型は、企業に関する新たな動き、新製品の発表、イベント開催案内など、タイムリーなニュースを中心に配信します。特に新しい商品リリースや会社の動向、大型キャンペーンのお知らせなど、即時性・新規性が求められる状況に最適です。
このタイプのニュースレターは、重要な発表・トレンド情報を迅速に届けることで読者の興味を引きつけ、各種イベントやキャンペーンへの参加につなげる働きがあります。
ニュースレターを配信するメリット
ニュースレターを定期的に配信することで、以下のようなメリットがあります。
顧客との関係性構築
ニュースレターは、顧客との長期的な関係構築に効果的です。配信されるコンテンツは読み物として提供され、行動喚起を主目的とせず「読んで満足する」ことを重視しています。これにより、気軽に購読でき、企業や担当者の人柄や想いが伝わりやすくなります。
購読者数を増やすためにも、編集後記やコラムなどオリジナリティのある内容を盛り込み、楽しみながら継続的に読んでもらえる構成にするのがポイントです。定期的に配信することで、顧客の中で企業が身近な存在となり、それが信頼やブランド価値の向上にもつながります。
ブランドの認知向上
ニュースレターのコンテンツクオリティは、企業のブランドイメージそのものに大きく影響します。情報に価値があり、デザインや表現も整った高品質なニュースレターを発信することで読者からの評価や好感度が向上し、ブランド認知の拡大につなげることができるのがメリットのひとつです。
「この企業は面白い」「次もサービスを利用したい」と思ってもらうチャンスも増え、商品やサービスの選択肢として優先的に想起されやすくなります。他社との差別化やブランディングにも役立ち、長期的なファンの獲得にも効果的といえるでしょう。
社内広報にも繋がる
ニュースレターは社外向けだけでなく、社内広報のツールとしても活用が広がっています。自社の最新情報や社内イベント、社員紹介コーナーなどを定期的に発信することで、社員同士の情報共有や連帯感が生まれやすくなります。
例えば、担当部署やプロジェクトの進捗、日常のエピソード、新人やベテラン社員のインタビューなどもコンテンツとして強い関心を集めることが可能です。こうした社内向けニュースレターは、社員のモチベーションを向上させたり、会社と従業員のつながりを深めたり、一体感を育む支えにもなります。
ニュースレターを配信する時の手順
実際にニュースレターを配信する際は、以下の手順で進めるようにしましょう。
配信の目的・ゴールを決める
ニュースレター配信で大切なのは「なぜ配信するのか」という目的やゴールを明確にしておくことです。成果となるKPI(重要業績評価指標)を設定しておくと、配信内容や頻度の計画も立てやすくなります。
また、ターゲットとなる顧客像やペルソナをしっかりと決めることで、どんな情報や話題を届けるべきかが具体的に見えてきます。情報の種類やテーマ、その配信タイミングなども目的に沿って企画できるので、成果測定や改善ポイントも明確にすることが可能です。
テーマ・形式の決定
次にニュースレターの具体的な配信テーマや形式を決めましょう。まずは配信テーマを決め、そのテーマが最も伝わりやすい形式を選ぶことで、読者への訴求力が上がります。
配信テーマやネタは一回ごとに考えるよりも、事前に一覧化し、できる範囲で企画段階から複数号分の詳細や構成も決めておくと、継続的で安定した配信が実現します。どんな題材や話題が読み手に響くか、参考になる事例や関連記事のアイデアも盛り込むことで、さらにクオリティの高いニュースレターに仕上がるのでおすすめです。
コンテンツ制作
ニュースレターのテーマやネタを決めたら、実際にコンテンツを制作します。
内容そのものが充実していることはもちろん、配信するメールのレイアウトやデザインにも配慮しましょう。見やすく分かりやすいレイアウトや、ブランドカラー、写真やイラストの活用などは読者の満足度や印象を大きく左右します。
また、読み手にとって価値のあるコンテンツを保つためには、定期的なチェック・改善も欠かせません。質の高い内容と、分かりやすいビジュアルがそろったニュースレターは、ブランド力の向上や継続的な購読の後押しにつながるので、開封率や配信停止数などを確認し、定期的にブラッシュアップを行うようにしましょう。
ニュースレターのネタ例
ニュースレターを定期的に配信していると、ネタに困ることもあるかもしれません。そんな時は次のような内容を取り入れてみると効果的です。
- トレンドや時事ネタ
- イベントレポート
- 社員インタビュー・会社紹介
- お客さまの導入事例
これらのテーマは日々の企業活動やトレンドにも関係しやすく、受け手にも興味を持ってもらいやすいポイントです。
トレンドや時事ネタ
ニュースレターには、世間で注目されているトレンドや時事ネタを取り入れるのがおすすめです。読者の興味や関心度も高まりやすく、内容の鮮度も感じてもらえます。
また、社会のトピックと自社の取り組みを絡めることで、ニュースレターならではの独自の内容になるようにしましょう。
イベントレポート
企業が主催や参加したイベントの様子をレポート形式で伝えるのも、ニュースレターで人気のネタです。セミナーやコラボイベントなど、開催当日の写真や来場者の反応、イベントの目的や今後の活動方針などをあわせて発信することで、リアリティや臨場感も高まります。
社員インタビュー・会社紹介
会社や社員の紹介を取り上げることで、企業の雰囲気や中の人の想いが伝わりやすくなります。特に、経営方針の発表や代表者インタビュー、新たな経営計画の発表などは今後の会社の方向性を示す場としても最適です。「開発秘話」や「商品・サービスの歴史」なども読者の興味を引くネタのひとつです。
お客さまの導入事例
自社の製品やサービスを使っているお客さまの導入事例は、有力なネタのひとつです。実際の利用シーンや成果を詳しく紹介したり、お客さまの感想を紹介するようにしましょう。こうした情報は、商品やサービスの購入を検討している見込み客への後押しになり、ブランドの信頼性や効果の根拠を示す実例として有効です。
ニュースレターを配信する際のポイントや注意点
ニュースレター作成時は、「なぜ今その情報を配信するのか」「どんなターゲットに関係する情報か」といった観点を意識し、情報を加工することが成功の秘訣です。以下ポイントや注意点に着目して配信を行うようにしましょう。
読み手のニーズを考える
配信したニュースレターが読者にとって興味深く、価値を感じてもらえる内容でなければせっかくの情報も届きません。読み手が何を知りたいと感じているのかリサーチし、それを反映したコンテンツ作りが重要です。
発信側が言いたいことばかりを並べると、内容が広告的になりすぎて離脱を招く場合もあります。メールの開封率やクリック数、購読解除数などの数値データを参考にしながら、読者ニーズにマッチした内容へ改善することもポイントです。
継続的に配信できる仕組みをつくる
ニュースレターは一度きりで終わらず、継続して配信できる体制が大切です。そのためには、年間もしくは四半期単位でのテーマや配信スケジュールの計画・設計を行い、早めに今後の配信内容をリストアップしておくことが有効です。
体制づくりや役割分担も忘れず、担当者の交代や業務の変化にも対応できるよう情報やノウハウを共有しましょう。定期的な進行管理や、ツールを使った配信管理システムの導入も効率化のポイントです。こうした仕組みが整えば、情報発信の質・量ともに安定し、会社全体として継続的なコミュニケーション活動が可能となります。
独自性のあるコンテンツを制作する
Web上には多くの情報やコンテンツがあふれていますが、重要なのは自社ならではの独自エピソードや秘話にフォーカスしたニュースレターづくりです。他社では紹介できない自社ならではの企画や社員インタビュー、開発ストーリーなどを取り入れることで、読者の興味や共感が高まりやすくなります。
普段の業務エピソード、ブランドを支える裏側の話、社内外の人びととの交流、経営チームや現場メンバーのこだわりなどは、一般的な広告や公式発表には入りにくい貴重な内容です。継続的な情報発信を行い、独自性を発揮することで、他社と異なる魅力やストーリーを示すことができ、ブランド力の向上にもつながります。
特定電子メール法に注意する
企業としてニュースレターをメールで配信する場合、特定電子メール法の遵守は欠かせません。この法律は、迷惑メールを防ぐ目的で制定されており、主に営利を目的とした団体や個人が宣伝目的で送信するメールを規制しています。
具体的には、
- 事前に同意していない相手への無断配信
- 受取拒否を申し出た相手への再送信
- 送信者などの表示義務を満たしていない
などが禁止事項です。安全で合法的な配信のためにも、配信リストやメール配信の管理体制をしっかり構築し、最新の法規制対策にも注力しましょう。
特定電子メール法については以下記事で詳細解説しているので、あわせてご確認ください。

ニュースレターの配信は「メール配信システム」がおすすめ
企業が顧客や関係者へ一斉に多くのニュースレターをメールで配信する場合は、メール配信システムの活用が非常に便利です。メール配信システムは、大量のメール送信においても高い到達率と低遅延を実現し、購読者の管理や配信承認、効果測定なども一元化できます。
ニュースレターの配信ならHirameki 7
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- 配信日時の予約が行える
- 開封率やクリック率の自動測定による効果分析
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- 過去に配信したニュースレターの数値を一覧で確認できる
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まとめ|ニュースレター配信で期待できる効果と活用方法
ニュースレターは、顧客との関係性構築やブランド認知向上に効果的な施策のひとつです。ニュースレターを配信する際は、読者のニーズにあわせたオリジナルコンテンツの定期的な配信を心がけ、効果的にマーケティング施策を実行しましょう。