リード獲得とは、営業活動において重要な施策のひとつです。
この記事では、
・リード獲得の方法
・目的
・具体的な施策例
について解説しています。
より新規顧客獲得を増やしていきたいと考えている方はぜひご確認ください。
目次
リード獲得とは?
リード獲得とは、自社の商品やサービスに興味を持っている潜在的な顧客(見込み顧客)を獲得することです。
またリードを獲得するための活動を「リードジェネレーション」といいます。
リードは将来的に顧客になる可能性があるため、効果的なアプローチで取り込むことが重要です。
具体的なリード獲得の方法には、以下のようなものがあります。
- セミナーや展示会などのイベント活動で名刺交換
- SNSでのコミュニケーション
- Webサイトやコンテンツマーケティング
- メルマガ登録などのアドレスを登録してもらうフォーム
- テレアポでのアプローチ
獲得したリードには、氏名や役職、会社名、連絡先など該当する情報が含まれています。この情報を元に見込み顧客を育成し、自社の商品やサービスにより興味を持ってもらうことが目的です。
リードナーチャリングとは?
リードナーチャリングとは、前述したリード(見込み顧客)を育成することです。育成とは顧客の購買意欲を高めるための働きかけを指し、サービスの導入に前向きではなかったリードを対象とします。
具体的なアプローチ方法としては、定期的な電話連絡やメルマガ配信などで接点を保ち、サービスのメリットを紹介していきます。これにより、最終的に顧客に購入してもらえるような状況を作り出すのがリードナーチャリングの目的です。
リードスコアリングとは?
リードスコアリングとは、リードが取った行動に対して点数を付与し、その合計点数をもとにマーケティング活動を最適化することを指します。
例えば、メールの開封でプラス10点、メールの最後まで読んだ場合にさらにプラス10点といった具合に点数を割り振る形です。この点数の管理は、SFA(営業支援ツール)やCRM(顧客管理ツール)などのシステムで行われます。
スコアリングにより、リード一人ひとりの関心度を把握し、ターゲットに合ったアプローチが可能になります。
リードクオリフィケーションとは?
リードクオリフィケーションとは、見込み顧客の中で購買に至る可能性が高い顧客を選別することを指します。リードスコアリングなどをもとに厳選されたリードに対して、個別のセミナーや責任者クラスが特別対応するなど、ピンポイントで施策を行い高い効果を狙います。
適切なリードクオリフィケーションにより、効率的な営業活動やマーケティング施策を展開することが可能になります。
リード獲得の目的
リード獲得の一番の目的は「受注件数を増やし、売上を拡大する」ことです。
自社の売上を継続的に拡大していくためには、リピーターからの継続購入・アップセルだけではなく、新規顧客獲得も重要です。新規顧客を獲得していくためにはリード獲得施策が必要な施策の一つとなってくるのです。
またリードを獲得して終わりではなく、見込み顧客の育成→顧客の絞り込み・受注までの施策を行い、受注や購入に繋げます。
リード獲得施策の種類はさまざまです。オンラインとオフラインに分けてそれぞれ説明していきます。
オンラインのリード獲得施策の例
オンラインの施策例については、8種ご紹介します。
Web広告(リスティング・ディスプレイ広告など)
Web広告は、Google・Yahoo!・Bingなどの検索エンジンに表示される「リスティング広告」や、Webサイトやアプリ内に表示される「ディスプレイ広告」、InstagramやXなどに表示される「SNS広告」などをっ指します。
特にリスティング広告は、「~を購入したい」「~を検討している」など、興味関心がすでにあるユーザーにアプローチすることができるため、リード獲得に繋がりやすいです。ただ広告を出稿し続ける限りは費用がかかる点、業界・業種によっては広告費自体が高騰している可能性があるので、獲得単価が見合っているかの確認が重要です。
タイアップ広告
タイアップ広告とは、他社が取り扱う媒体に自社商品・サービスを宣伝してもらう広告手法を指します。媒体の他コンテンツに馴染む形で広告掲載ができるため、広告嫌悪のあるユーザーに対してもアプローチしやすい広告です。また媒体ごとにユーザー層の特徴があるため、自社商品・サービスのユーザー層に近い媒体で掲載することで、興味・関心を持ってもらうことが可能です。記事と一緒にアンケートを掲載したり、資料請求のDLボタンを設置するなどしてリード獲得に繋げます。
SNS運用
XやInstagram、TikTokなどのSNSアカウントを作成し、自社サービス・商材の魅力を伝えることも、リード獲得に繋がる施策のひとつです。広告費をかけずに運用が可能なため、手軽に始められる施策です。特に若年層がターゲット層の場合、効果的にアプローチができます。
SNSによって利用ユーザー層が異なるため、ターゲット層に沿ったSNSを運用するようにしましょう。
ウェビナー
ウェビナーとは、Webで開催するセミナーのことを指します。対面で行うセミナーと比べ移動や時間の制約が少なく、どこからでも参加できるのがメリットです。またセミナー内容を録画しておき、後日アーカイブ配信を行うことでより多くのユーザーにアプローチが可能です。
ウェビナー終了時に、アンケートを実施しリード情報を獲得するのが主流です。
オウンドメディア・SEO対策
自社でWebメディアを運営し、そこから「サービス資料」や「お役立ちコンテンツ」などの資料ダウンロードに誘導することで、リードを獲得する手法です。まずはメディアに流入してもらうためにSEO対策から行う必要があるため、継続的なコンテンツ作成が必要になってきます。そのため人的リソースはかかりますが、一度流入・リード獲得が安定してくれば、コンスタントに低単価で獲得が可能です。
プレスリリース
プレスリリースとは、報道機関に向けた情報提供を指します。PR TIMES・@Pressなどの配信サービスを利用して、自社商品・サービスの最新情報を発信し、そこからの認知・お問い合わせ等のリード獲得を狙う施策です。訴求が可能なのはまだ公開していない情報のみになるため、注意が必要です。
資料・ホワイトペーパーダウンロード
自社のホームページにサービス資料やホワイトペーパーを掲載しておき、ダウンロードする際に情報入力してもらうことでリードを獲得する手法です。ホワイトペーパーは、自社商品・サービスが最終的な解決策とした際に、それより前段階で「ユーザーが抱える悩み・課題」の解決に繋がるようなテーマで作成することがポイントです。
せっかく設置していても、ホームページ自体への流入が少ないと意味をなさないため、SEO対策・SNS運用などの流入施策もあわせて行うようにしましょう。
メールマガジン広告
メルマガ広告とは、Webメディアの購読者に向けて一斉メールで自社商品・サービスを訴求する広告です。ターゲット層が購読しているであろうWebメディアで広告配信を行うことで、興味を持ってもらいリード獲得に繋げます。
オフラインのリード獲得施策の例
オフラインの施策については、6種類ご紹介します。
展示会への出展
展示会への出展は、展示会の規模にもよりますが一度に多くの人にアプローチできる施策のひとつです。自社のブースを設置し、来場者との名刺交換やアンケート回答などでリードを獲得します。
開催内容に興味・関心を持って来場しているため、自社の商品・サービスにも興味を持ってもらいやすいです。ただし一度に多くのブースを回っているケースが大半なので、印象に残るような運営が重要です。
セミナー開催
ターゲット層がかかえる悩み・課題に関連したオフラインセミナーを実施することで、リード獲得につなげる手法です。興味を持ってわざわざ会場に来てくれている方になるので、積極的に話を聞いてくれる可能性が高いのがメリットです。ただし開催場所・日時による機会損失を生む可能性もあるので、場合によってはオンラインセミナーの実施・併催も検討をするようにしましょう。
テレアポ
テレアポは、見込み顧客になりうる方へ電話をかけてリード獲得を狙う手法です。テレアポは「インターネットへの知見が少ない方」や「オフラインでの営業を好む方」へのアプローチが可能です。
電話先のリスト作成が必要になってくるので、予算をかけられる場合はリスト購入サービス・ツールの導入もあわせて検討しましょう
リスト作成の方法については以下記事でご紹介しています。あわせてご確認ください。
ダイレクトメール(DM)送信
ダイレクトメールとは、ハガキやFAXなどを使ってアプローチする手法です。オンライン手法のメルマガ広告と近い内容にはなりますが、捨てられない限り「もの」として残るため、より印象を残すことが可能です。
飛び込み営業
飛び込み営業とは、事前のアポイントをせずに企業や個人宅に訪問し営業する手法です。オンラインに馴染みのない世代へのアプローチや、対面での営業が合っているサービス・商材の場合に効果的な施策です。ただし、アポイントがないがゆえに「良い印象を抱かれない」可能性が高いため、注意が必要です。
マス広告
テレビCMや新聞広告などに出稿し、アプローチする手法です。不特定多数の人にアプローチできることがメリットですが、その分費用が高い傾向にある点や、効果計測が難しい部分があるので検討が必要になります。
マス広告以外には、「屋外の看板広告」や「交通広告」なども同様の特徴です。
リード獲得施策を実施する際のポイント
リード獲得施策を成功させるためのポイントは、
- 目的とKPIの設定
- ターゲットの明確化
- ターゲット層に適した手法の選定する
- リード獲得単価を考慮して改善を図る
ことが大切です。順に解説していきます。
リード獲得の目的を整理してKPIを設定する
まず、リード獲得の目的を整理し、達成すべき目標を明確にしましょう。その上で、リード獲得の成果を測定するためのKPI(重要業績評価指標)を設定します。
例えば、リード獲得数や商談数、受注数などがKPIとして挙げられます。またKPI設定時には、リアルタイムでのモニタリングや分析が可能なツールを活用することで、効果的な施策の運用や改善が可能になります。
ターゲットを明確にする
次に、ターゲットとなる顧客層を明確にします。具体的には、年齢層、性別、職業、趣味、購買行動などの属性を分析し、顧客像を作成します。ターゲットがBtoBの場合は、企業規模、業界・業種、所在地などの企業属性も分析するようにしましょう。
ターゲットを明確にすることで、リード獲得の効率が向上し、無駄な広告費も減らすことができます。ターゲット分析のためには、過去の顧客データや市場調査データを参考にすることが有効です。
ターゲット層にあった手法を選定する
最後に、ターゲット層に適したリード獲得手法を選定します。前述したようにリード獲得施策においては多くの手法がありますが、ターゲット層の特性によって効果的な手法が異なります。また、リード獲得のためのコンテンツ(資料、Webサイト、セミナーなど)もターゲット層の関心に合わせて作成することが重要です。手法の選定やコンテンツ作成に当たっては、ターゲット分析の結果や事例を参考にすることがおすすめです。
リード獲得単価を考慮して改善を図る
リード獲得施策を実施する際は、「リード獲得単価 =リード獲得1件あたりにかかった広告費」を計測することが重要です。
オンライン広告やSNS活用・コンテンツマーケティングなどさまざまな施策を実施し、どの方法がより安い単価でリード獲得ができているかを分析しましょう。その上でより安い単価で獲得できている施策に予算を割いていくようにしましょう。
ただし流入元によってリードの質が異なるため、必ずしもリード獲得単価が安い = 低単価で売上に貢献しているとは限りません。
例えば「ポータルサイトで資料請求した人」と「自社サイトから資料請求した人」とではリードの質が異なる可能性が高いです。ポータルサイトには他企業の情報も載っているため、アイミツを検討している可能性が高く、自社サイトでじっくり情報を見たうえで資料請求をした人に比べ、検討度が低い可能性があります。そのため、仮にリード獲得単価がポータルサイト掲載施策の方が安かったとしても、最終ゴールの受注で見た際は、自社サイト施策の方がよい結果になる可能性があります。
上記のようなケースを配慮し、リード獲得単価だけではなく、「商談化1件に対するコスト」や「受注1件に対するコスト」も成果判断時に確認するようにしましょう。
まとめ:自社にあったリード獲得施策の実施を
リード獲得施策は新規顧客を獲得していくにあたり重要な施策の一つです。
自社にあった施策でリードを獲得し、リード獲得単価に注意しながら、売上拡大に繋げましょう。