
自分の税理士事務所を開業し、経営するには効果的な集客方法が重要です。
今回は開業時に特におすすめな集客方法と、その他の主流な方法をご紹介します。今後新規顧客の獲得を強化したい方はぜひご確認ください。
目次
【開業時におすすめ】税理士事務所の集客方法
税理士事務所の経営には、専門的な税務の知識や優れたサービスを生かすだけでなく、企業や個人へ存在を認知してもらう集客戦略が必要です。ホームページを運営すれば、検索を通じて顧客が訪れやすくなり、会計や税務を求める人への信頼づくりにもつながります。SNSを活用すれば、幅広い層へ発信しやすく、動画や画像で自分の強みを効果的にアピールできます。
本セクションでは、特におすすめの集客方法を5つ紹介します。
1. ホームページ
事務所の顔ともいえるホームページは、ユーザーが知りたい情報を整理して掲載し、サービスの全体像をわかりやすく伝える場です。インターネットの利用が当たり前となっている現代では、事務所のホームページは、信頼感や安心感を与えるために欠かせない存在です。
連絡先や所在地などの基本情報はもちろん、会計や税務などの得意分野や実績を提示するなど、税理士を探している見込み顧客が安心して問い合わせしやすくなるホームページを作成しましょう。
また、
- 料金体系や顧問契約の流れ、対応できる業務範囲などを明記
- 代表者の顔写真や経歴を掲載
- 事例やブログなどで有益な情報を発信
することで、依頼時の具体的なイメージを持ってもらえたり、事務所の魅力が伝わり依頼に繋がったりするので、どういった情報を載せるべきか検討してホームページを作成することが大切です。
開業時のホームページ作成は、「ホームページ作成ツールでの制作」がおすすめです。「制作会社に依頼」する場合はよりオリジナリティのあるサイトの作成が可能ですが、その分時間やコストがかかります。また、一から「自身でコーディングをして作成」することもできますが、専門知識が必要です。
ツールを利用することで時間をかけずに一定の品質を保ったホームページを作成でき、かつ内容を修正する際も、スムーズに更新が可能です。
Hirameki 7の「Webサイト」機能は、月額800円(税別)からホームページを作成でき、士業向けのテンプレートが用意されているため、情報を埋めていくだけで必要な情報が揃ったホームページが完成します。また、顧客管理やメール一斉配信などの集客・顧客対応に便利な機能がワンツールで搭載されているため、開業時にまず導入するツールとして評価をいただいています。大まかなツールの内容は以下動画をご確認ください。
2. Googleビジネスプロフィール(MEO対策)

Googleビジネスプロフィールの登録を行うと、オフィスの所在地や連絡先などがGoogleマップに表示され、会計や税理士関連のキーワードを使って検索するユーザーから注目を集めやすくなります。
検索結果の上位に表示させるためのMEO対策では、登録情報を充実させることや、レビューへの返信、定期的に新しい情報を発信することなどが効果的です。また、口コミが増えると利用者の声が蓄積され、初めて依頼を考える人の不安を和らげられます。
地域密着での集客を強化していきたい場合は特に必須の施策です。
3. マッチングサイト・ポータルサイト
企業や個人が税理士を探す際、まずはマッチングサイトやポータルサイトをチェックするケースが多いです。得意とする税務や会計の強みをアピールして掲載することで、比較検討段階のユーザーから案件を獲得しやすくなるでしょう。
税理士を検索できるポータルサイトでは、「税理士ドットコム」や「freee税理士検索」などがあります。掲載費用や報酬体系はサイトごとに差があるため、事務所の予算と期待する効果を踏まえて、最適な方法を選ぶことが大切です。
また、競合との差別化を図るためには、成功実績や税務の専門性をわかりやすく整理し、価格面やサポート体制のメリットを強調しておきましょう。開業時に利用すれば短期間で新規顧客が見込める面がある一方で、集客の継続性を高める施策とも組み合わせると、より安定した事業活動を維持しやすくなります。
4. SNS運用(YouTube/Facebook/X等)
SNSは個人や企業が日常的に使うツールとして広く浸透しているため、税理士事務所の情報発信にも向いています。
たとえばYouTubeなら、会計や経営に関する解説動画を投稿し、成功事例などを動画で紹介できます。FacebookやX(旧Twitter)なら、短文や画像で気軽に発信できる点が魅力です。利用者との交流がしやすいSNSを選ぶと、顧客がサービス内容を身近に感じてくれます。
とはいえ、実名公開が前提のSNSや拡散力が高いSNSなど、特徴が異なるので事務所の強みを最大限に伝えられる方法を選ぶことが重要です。SNSは迅速なやりとりとターゲットへの的確なアプローチが可能ですが、継続的な投稿や効果測定の手間もあります。事前に運用方針を定め、広告との組み合わせなども検討すると、集客効果をさらに高めやすくなります。
5. Web広告(リスティング広告/SNS広告等)
GoogleやBingなどの検索結果に表示されるリスティング広告をはじめとするWeb広告は、必要な時期に予算を設定して集客規模を調整できる柔軟な手法です。検索エンジン上で「税理士 顧問」「港区 税理士」といったキーワードを入力したユーザーに自社サイトを訴求できるため、悩みを抱える顧客に直接アプローチしやすくなります。
FacebookやYouTubeなどのSNS広告やディスプレイ広告は、興味や地域など細かいターゲット設定が可能で、動画や画像を使うことによるインパクトも期待できます。
月ごとの状況に応じて費用を調整しながら運用を最適化できる点やすぐにリーチすることができる点は利点ですが、お問い合わせや依頼などのコンバージョンを獲得するための運用ノウハウが必須で必要なため、広告代理店へ運用代行を依頼することも検討しましょう。
【その他】税理士事務所におすすめの集客方法
前述した方法は、特に開業時におすすめの集客方法ですが、その他主流な集客方法をご紹介します。より集客を強化したい場合はあわせて検討するようにしましょう。
6. 紹介
紹介営業による集客は、他の士業や金融機関、既存顧客から税理士を探している人を直接紹介してもらうため、信頼度が高い手法です。ただし、友好的な雰囲気を重視しすぎて安易な値下げに応じると、契約単価の低下を招く場合もあるため注意が必要です。
また、金融機関や他の士業と連携すれば、税務や会計の相談を受ける機会が増えるだけでなく、企業経営全般のサポートにも広がりが期待できます。既存顧客や知人から依頼が来ることも多いため、日頃から良好な関係を維持しておきましょう。紹介元にとってもメリットのある形を考え、無料の相談会や特典を設けるなどの方法でお互いにメリットを享受できる仕組みを作ると継続的な支援に結びつきます。
7. セミナー(ウェビナー)
セミナーやウェビナーは、税理士としての専門知識を直接多くの人に伝えられるうえ、信頼を獲得しやすい集客方法です。会社や法人の役員を対象に会計基礎や節税対策のポイントを解説する場を設けると、潜在顧客との接触機会を一気に増やせます。他には、共催や協賛などの形で他社と提携し、銀行や保険会社などと連動したイベントを開催すれば、幅広い層が参加しやすくなるため、よりリーチを広げることができます。
オンラインであれば場所にとらわれず告知しやすく、時間コストや会場費を抑えられる利点もあるためおすすめです。セミナーでの集客は実施後のフォローが重要で長期的な施策にはなりますが、潜在層に多くアプローチできる点が強みです。
8. DMやメールでの営業
新規スタートアップや設立間もない法人に向けて郵送DMや営業メールを送ると、日頃の税務処理に悩んでいる人から問い合わせを得られる可能性があります。ターゲット層の課題・ニーズを仮説だてて、それらの解決に繋がるような訴求を行うようにしましょう。
ただし、DM・メールの送付先をリスト化する際には、個人情報保護に配慮し、相手の信頼を損なわないよう注意が必要です。
メールマーケティングについては、以下で詳細を解説していますのであわせてご確認ください。

9. テレアポ営業
テレアポ営業は、通話によって直接サービス内容を伝えられる手法で、事務所の強みを短時間でアピールできます。Hirameki 7の「営業リスト検索」機能を活用することで、ターゲットとする業種や規模をしぼり込んで連絡することができるので、見込み度の高い相手にアプローチすることが可能です。
ただし、電話相手は税理士サービスに興味がない場合も多く、話を聞いてもらう段階で苦労するケースがあります。スクリプト(営業トークの台本)をしっかり作りこみ、料金や契約プランのメリットを分かりやすくまとめておくと、初対面でも効果的に説明できるでしょう。
テレアポ営業のコツについては、以下記事で解説していますのであわせてご確認ください。

施策実施の際のポイント
集客施策を実施する際は、いずれの方法も事務所のブランドや方向性との整合性を意識することが求められます。
高額な費用を投じて急速に新規を狙う手法もあれば、時間をかけて着実に存在感を高める方法もあります。どちらを選ぶにしても、状況や目的にあった戦略を組み合わせ、継続的にブラッシュアップする姿勢が大切です。また、以下3点を意識して施策を実施するようにしましょう。
見込み顧客と複数のタッチポイント(接点)を持てるようにする
顧客の属性によって接触しやすい媒体は変わるため、対象を意識して集客施策を組み立てると効果的です。若年層の起業家や経営者にリーチしたい場合は、SNS運営を中心に進めても反響を得やすいかもしれません。逆に地域の高齢者を相手に遺産相続や相続税などの税務サービスを展開したいなら、ポスティングや折込チラシのほうが有効です。
このように、自分の事務所が提供する会計や税務支援に興味を持ってもらうには、複数の手段を併用してさまざまな場面で接点を増やす必要があります。ペルソナを明確に設定し、ホームページやセミナー、紹介、SNSなどの接触経路を一貫性のあるメッセージでつなげておくと、最終的な顧客獲得につながる可能性が高まります。
ユーザーが求めている情報をWebで得られるようにする
ホームページを持つだけでなく、ユーザーが欲しがる情報を継続的に更新し続けることが大切です。情報が少ないとお問い合わせなどや相談等のハードルが上がってしまい、他事務所に流れてしまう可能性があります。料金や業務内容を明確にし、どのようなサポートを提供できるかを具体的に提示することで、相談者がイメージを持てるようにしましょう。
また、会計や税金の新制度、申請手続きの流れなど、検索されやすい話題をブログやコラムでこまめに発信すると、検索エンジン経由で新たな顧客がサイトを訪れやすくなる点もメリットです。
気軽にお問い合わせ・相談できる環境を用意する
初めて税理士事務所を利用する人は、費用の不安や手続きの難しさを感じていることがあります。気軽に質問ができる窓口をホームページやSNSに設けると、新規問い合わせが増えやすくなるでしょう。
また、電話やメール、チャットなど多様な連絡手段を提示すると、相手が自分に合った方法でアプローチできるようになるのでおすすめです。
まとめ|税理士事務所が継続的に集客するための具体総括と次の一歩
税理士事務所の経営を安定させるには、豊富な税務の知識やサービス品質だけでなく、事務所の存在を広く知ってもらうための戦略的な集客が不可欠です。開業時だけでなく、長期的な運営を見越して自社の方向性に合わせた方法を選定することが重要です。
今回紹介した手法を組み合わせながら、自社にあった訴求を行うようにしましょう。